〈快速急行とは?急行より速い?〉近鉄奈良線の便利な乗り方を解説【運賃&種別&所要時間まとめ】

2023年5月12日

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「近鉄奈良線の運賃や所要時間は・・・?」

「難波や鶴橋から奈良に行くにはどの種別の電車に乗ればいいの・・・?」

当記事ではこういった悩みを解決します。

近鉄奈良線は大阪一の繁華街・難波(ミナミ)にある「大阪難波駅」から、奈良公園の最寄り駅でもあり奈良市の中心市街地にある「近鉄奈良駅」間を最短30分台で結んでいます。

当記事では大阪と奈良を結ぶ交通手段である「近鉄奈良線」について、列車種別や運賃、所要時間や便利な乗り方を解説しています。

近鉄奈良線とは?

近畿日本鉄道8600系6両固定編成
近畿日本鉄道8600系(写真AC)

大阪難波~近鉄奈良間を最短30分台で結ぶ

近鉄奈良線は、大阪の通称「ミナミ」と呼ばれる難波エリアと奈良とを結ぶ最も便利な鉄道路線です。

難波から奈良市内へは距離としても最短で、所要時間、運賃ともに最安となっています。(運賃はJR線利用の場合も同額)

近鉄奈良線の特徴は優等列車である「快速急行」と「急行」がほぼ終日にわたって約10分間隔で運行されている点です。

近鉄奈良線・難波線快速急行・急行
近鉄奈良線・難波線を走る快速急行と急行の停車駅および所要時間の目安〈赤が快速急行、橙が急行〉(筆者作成)

この快速急行か急行を利用すると、大阪難波から近鉄奈良間をおおむね35~40分程度で移動することができます。

阪神なんば線直結で神戸三宮にも移動可能

近鉄奈良線の快速急行は大阪難波より西側は「阪神なんば線」として阪神線に乗り入れしており、尼崎・神戸三宮方面へ直通運転しています。

快速急行の相互乗り入れ区間。近鉄奈良線の快速急行は阪神なんば線を経由し神戸三宮駅まで相互直通運転している列車もある。(筆者作成)

近鉄奈良線を走る快速急行は朝夕の一部の時間帯を除き昼間の時間帯は1時間に2本の快速急行が「神戸三宮~大阪難波~近鉄奈良」を直通で運行しており、神戸―奈良間を乗り換えなしで移動することも可能です。

特急も利用可能だが特急料金が別途必要

近鉄奈良線は前述した「快速急行」「急行」の他に「特急」も運行されています。

近鉄線の特急列車に乗車する場合は運賃の他に「特急料金」(特急券)が必要となるため、特急を利用すると移動にかかる費用は通常の運賃の2倍ほどになります。

また、近鉄奈良線の特急は主に朝夕や夜の時間帯に運行されており、土日祝日については昼間の時間帯でも運行されていますが、約1時間おきの運行のため、列車の本数面では利便性が高いわけではありません。

近鉄奈良線の特急は、早さという利便性よりも、どちらかと言うと朝夕の通勤通学の時間帯に「ゆったり座って移動するニーズ」を満たすために運行されていると言っていいでしょう。

所要時間や停車駅についても快速急行とほとんど変わらないため、「混雑を避け確実に座席に座ってゆったり移動したい」という場合を除いては約10分間隔で運行されている「快速急行」か「急行」を利用するのがおすすめです。

近鉄奈良線の列車種別と停車駅について

近鉄奈良線は、快速急行・急行・準急・区間準急・普通と特急料金が必要な特急が運行されています。

近鉄奈良線の停車駅
近鉄奈良線の停車駅(筆者作成)

大阪難波駅から奈良方面へ発車する列車種別ごとの停車駅は以下の表のとおりです。

列車種別 停車駅
特急 大阪上本町、鶴橋、生駒、学園前、大和西大寺、近鉄奈良

※利用には乗車券の他に特急券(520円)が別途必要

快速急行 近鉄日本橋、大阪上本町、鶴橋、生駒、学園前、大和西大寺、新大宮、近鉄奈良
急行 近鉄日本橋、大阪上本町、鶴橋、布施、石切、生駒、学園前、大和西大寺、新大宮、近鉄奈良
準急 近鉄日本橋、大阪上本町、鶴橋、布施、河内小阪、東花園、石切より先の各駅
区間準急 近鉄日本橋、大阪上本町、鶴橋、布施、河内小阪、東花園より先の各駅
普通 各駅に停車

参考 路線図・駅情報|近畿日本鉄道(外部リンク)

難波から奈良方面へのアクセスについては、基本的に「特急」「快速急行」「急行」の順で優等列車となっているため、準急以下の種別の列車は、早朝や深夜などごく一部の時間帯を除いて鶴橋または布施駅以降の先着列車にはなりません。

そのため、近鉄奈良駅に行く場合に奈良行きだからと言って「準急」や「普通」に乗ってしまうと通過待ちによる停車時間が発生し、所要時間がかなり長くかかってしまうため、「快速急行」か「急行」のどちらかを利用するのが基本です。(近鉄奈良から難波方面に向かう場合についても同じです。)

近鉄奈良駅までの運賃について

主要駅から近鉄奈良駅までの運賃は以下の表のとおりです。(太字は近鉄線への乗換駅)

乗車駅 大人運賃(片道)
大阪難波駅から 680円
大阪上本町駅から 680円
鶴橋駅から 590円
布施駅から 590円
石切駅から 430円
生駒駅から 360円
学園前駅から 300円
大和西大寺駅から 240円

(※運賃は2023年4月1日現在の情報です。)

運賃について、難波から奈良へ向かう場合、JR線でJR奈良駅まで行く場合は580円でJRの方が運賃は安くなります。(2023年4月の運賃改定後)

ただし、列車の本数や乗り換えの有無などの総合的な利便性についてはJR線よりも近鉄奈良線の方が圧倒的に高いため、難波―奈良間の電車での移動は事実上近鉄一択とも言える状況です。

なお、鶴橋駅で大阪環状線から乗り継ぐルートでも利便性は高く、運賃については大阪駅からJR線のみでJR奈良駅に行くよりも、大阪環状線を利用して鶴橋駅で近鉄奈良線に乗り換え近鉄奈良駅へ向かうルートの方が100円以上も安くなります。

したがって、難波ー奈良間だけではなく、梅田―奈良間の最安ルートにもなっています。

大和西大寺駅での乗り換えで京都方面や奈良県中部方面(天理や大和郡山など)への移動も可能

近鉄奈良駅の2つ手前の駅である「大和西大寺駅」では、京都方面へ向かう「近鉄京都線」や天理方面や橿原神宮前方面などへ向かう「近鉄橿原線」に乗り換えが可能となっています。(近鉄天理線へは平端駅で直通または乗り換え)

大和西大寺駅で乗換
大和西大寺で京都線に乗り換えると京都府南部方面へ、橿原線に乗り換えると奈良県中部方面へ行くことができる。(筆者作成)

そのため、近鉄奈良線を利用して大和西大寺駅で乗り換えると、奈良市の中心市街地だけではなく、京都府の南部方面や奈良県の中部方面へも便利に移動ができます。

のりばについて

大阪エリアから奈良方面への列車を利用する場合の主要駅ののりばについては以下のとおりです。

大阪難波駅から乗車する場合

大阪難波奈良行きのりば

大阪難波駅から乗車する場合、近鉄奈良行きの列車は「1・2番」のりばから発車します。

大阪難波駅の各改札口から駅構内に入ったら奈良方面の案内表示に従い、階段・エスカレーターを下りると1・2番線のホームに着きます。

奈良行きの列車は1番のりばと2番のりばのどちらののりばからも発車しています。

なお、座席については昼間の場合は座れる場合もありますが、発車直前に加え、朝夕の通勤通学の時間帯や阪神なんば線からの直通の快速急行の場合は座れない場合があります。

鶴橋駅から乗車する場合

鶴橋奈良行きのりば

鶴橋駅から乗車する場合、近鉄奈良線・奈良方面行きの列車は「1番のりば」のみから発車します。

向かいの2番のりばは近鉄大阪線の大和八木方面へののりばですので、奈良方面の列車が2番のりばから発車することはありません。

JR環状線から乗り換えの場合は、環状線のホームに降りると近鉄線への「連絡改札口」があります。

鶴橋駅ではこの連絡改札口を利用することでいったん「出口」を出ることなく近鉄線に直接乗り換えができるようになっていますので、とても便利です。

ただし、鶴橋駅で乗り換える場合、きっぷとICカードを併用する場合は改札口の通り方が少しややこしくなって分かりにくい場合がありますので、以下の関連記事を参考にしてください。

なお、鶴橋駅に到着する奈良方面への列車は大阪難波、近鉄日本橋、大阪上本町という主要駅を通ってやって来る列車ですので、平日の昼間の時間帯以外は座れない場合が多く、朝夕のラッシュ時はかなり混雑している場合も多いです。

最後に

近鉄奈良線は大阪の難波と奈良とを結ぶ最も主要で便利な鉄道路線となっています。

近鉄奈良線は快速急行と急行が約10分おきに運行されており、大阪難波ー近鉄奈良間を最短30分台で結んでいます。

快速急行と急行の他にも列車種別がありますが、大阪難波~近鉄奈良間を移動する場合は、快速急行か急行の利用が便利となっています。

また、近鉄奈良駅から2つ手前の駅である大和西大寺駅では近鉄京都線と近鉄橿原線に乗り換えができます。