大阪環状線はややこしい?乗り間違いを防ぐ攻略法を紹介【遠心力に注意!】
「大阪環状線はそんなにややこしいの?乗り間違いが心配・・・」
「環状線だと思って乗っていると奈良や和歌山に飛ばされるって聞いたんだけど・・・」
「大阪環状線って実は一周していないの?」
当記事ではこういった悩みを解決します。
大阪市の中心部を囲むように走る大阪環状線。
大阪環状線は「環状」という名前のとおり「輪っか」になった鉄道路線ですが、遠方からの旅行者がぐるぐる周っているだけの環状運転だと思って乗ると、予期せぬ駅へ飛ばされることがあります。
特に東京の山手線と同じ環状運転だと思い、「内回り、外回り、どっちに乗っても大丈夫だろう」と思っている人は注意が必要です。
当記事はそんな大阪環状線の特徴について、詳しく解説しています。
大阪環状線とは?
大阪環状線は大阪市中心部を走るJR西日本の路線で、一周は約21キロメートル。
名前のとおり環状運転をしており、列車は天王寺駅、京橋駅、大阪駅、西九条駅などの主要駅を通りながらぐるぐると回っています。
ちなみに大阪環状線には全部で19の駅があり、普通電車だと約40分で一周することができます。
長さや駅の数は異なるものの、ここまでは東京の山手線と同じですね。
大阪環状線に乗車する際の注意点
ただ、関西や大阪の電車に慣れていない人が大阪環状線を利用するときに気を付けておかないといけない注意点がいくつかあります。
それが以下の3点です。
- 大阪環状線には他の路線との乗り入れがある
- 「大和路快速」と「関空・紀州路快速」は停車しない駅がある
- 天王寺駅で折り返し運転されている列車がある
以下で詳しく見ていきます。
①大阪環状線には他の路線との乗り入れがある
その注意点の1つが大阪環状線内には奈良や和歌山方面など、地方へ向かう列車も走っているということ。
大阪環状線が東京の山手線と決定的に違うことは、地方へ向かう列車も乗り入れている点です。
東京の山手線は完全に閉じた環状の路線で、他の路線に乗り入れている列車はありません。
山手線を走っている列車に乗ると山手線をぐるぐると回るだけです。
そのため、たとえ寝過ごしても車庫に入る列車でなければ山手線内の駅で降りることができ、目的地の駅にも比較的簡単に戻れます。
ですが大阪環状線の場合は、環状運転を行っている列車以外に、
- JR大和路線(関西本線)の「大和路快速」と「区間快速」
- JR阪和線の「関空・紀州路快速」と「直通快速」
- JRゆめ咲線(桜島線)の「普通電車」
が乗り入れています。
大阪環状線内は昼間の時間帯は5分おきに列車が運行されていてとても便利です。(1時間だと12本)
ただ、実際に大阪環状線内の各駅の昼間の時間帯の時刻表を見てみると、環状運転している列車は15分に1本(1時間に4本)で、残りは「大和路快速」と「関空快速・紀州路快速」がそれぞれ15分に1本ずつ(1時間に4本ずつ)の運行となっていることが分かります。
ここで大阪環状線内の昼間の時間帯の列車種別と運行本数をまとめると以下の表のようになります。
種別 | 1時間あたりの本数 |
環状運転(普通電車) | 4本 |
大和路快速 | 4本 |
関空快速・紀州路快速 | 4本 |
※ここに時間帯によってはゆめ咲線へ乗り入れる列車が加わる場合もあります。
このように、昼間の時間帯では大阪環状線内をぐるぐると環状運転している列車は実際1時間に4本(15分に1本)しか走っていないんですよね。
そのため、行き先や種別を確認せずに乗車すると、環状線に乗ったはずなのにたとえば「いつのまにか奈良方面に行ってしまっていた」ということもあり得ます。
実はこれが大阪環状線の最大の特徴で、大阪環状線は環状線という名前なのに、環状運転していない列車も運行されているので、はじめての方は乗り間違いがないように特に注意が必要です。
なお、奈良方面へ向かう「大和路快速」と和歌山・関西空港方面へ向かう「関空・紀州路快速」についてはそれぞれ以下リンク先の記事で詳しく説明していますので、こちらも併せて参考にしていただければと思います。
②停車しない駅もある
もう1つの注意点は停車駅について。
東京の山手線の場合、走っている列車の種別はどの電車も各駅停車。
ですが、大阪環状線の場合は各駅停車の他に「区間快速」や「直通快速」、それに加えて先ほど紹介した「大和路快速」と「関空快速・紀州路快速」が走っています。
大和路快速と関空・紀州路快速は大阪環状線内の一部の駅には停車せず、通過する駅があります。
そのため、乗り間違えると目的地の駅に止まらないことがあります。
なお、直通快速は阪和線に、区間快速は大和路線に直通運転している快速電車で、どちらの種別も環状線内の駅は各駅に停車します。
参考:JR西日本路線図:停車駅案内:大阪環状線・JRゆめ咲線・大和路線・阪和線・関西空港線(JRおでかけネット)
③普通電車でも折り返し列車がある
地方に乗り入れている「大和路快速」と「関空快速・紀州路快速」は基本的にほとんどの列車が天王寺駅で折り返し運転がされていますが、普通電車についても折り返し運転される列車が運行されています。
外回りの大阪環状線は普通電車でも天王寺止まりの列車があり、天王寺に到着するとその列車は内回りの折り返しとなります。
ですので、天王寺駅を経由して大阪環状線を利用する場合、乗り換えが必要となってくるケースもあります。
大阪環状線の攻略法
以上の3点を踏まえ、ここからは大阪環状線の乗り間違わない攻略法をはじめて利用する方でも分かりやすいようにまとめています。
結論から言うと、大阪環状線を利用するときは、以下の3つを覚えておくと乗り間違いをすることはなくなるでしょう。
- 東半分の区間(大阪―京橋―鶴橋―天王寺)はすべての列車が各駅停車
- 西半分の区間(大阪―西九条ー新今宮―天王寺)は列車によって通過駅がある
- 「大和路快速」と「関空・紀州路快速」は天王寺駅発着で折り返し運行されている
主なポイントは、
- 大阪~天王寺の区間を東半分と西半分の2つに分けて考える
- 天王寺駅を経由するルートで乗車する場合は特に注意が必要
の2点です。
以下で詳しく説明していきます。
東半分の区間(大阪―京橋―鶴橋―天王寺)はすべての列車が各駅停車
まず、大阪環状線の東半分、大阪―京橋―鶴橋―天王寺の区間についてはすべての列車が各駅停車のため、この区間内のみを乗車するだけなら、どの種別の電車に乗っても問題ありません。
昼間の時間帯は5分おきに運転されているため、目的地の駅の方向(内回りか外回りか)さえ合っていれば何も考えずに来た電車に乗ればOKです。
西半分の区間(大阪―西九条ー新今宮―天王寺)は列車によって通過駅がある
次に、少し気を付けないといけない区間は西半分、大阪―西九条ー新今宮―天王寺の区間を利用する場合について。
西半分の区間は列車によって通過駅があり、「関空・紀州路快速」と「大和路快速」は野田駅、芦原橋、今宮駅の3駅は通過します。
そのため、この3つの駅が目的地の場合、関空・紀州路快速と大和路快速には乗車せずに環状運転している普通列車を利用することになります。(昼間の時間帯は15分に1本)
また、西半分の区間については一部の列車は西九条駅からゆめ咲線(ユニバーサルシティ・桜島方面)へ乗り入れている普通列車もあるので、列車の行き先には注意が必要になってきます。
その他の列車については西半分の区間についても区間快速と直通快速も含めて特急列車以外の列車が全ての駅に停車します。
「大和路快速」と「関空・紀州路快速」は天王寺駅発着で折り返し運行されている
奈良や和歌山に乗り入れている「大和路快速」と「関空・紀州路快速」は、天王寺駅を起点にして運転されています。
これらの快速電車について、内回り列車は天王寺駅を発車し大阪環状線を1周して再び天王寺駅に戻ってきてから奈良方面や関西空港・和歌山方面へ向かいます。
また、逆に外回りの列車は奈良や和歌山方面から天王寺駅で大阪環状線に入り、環状線を1周して終点の天王寺駅に戻ってきます。
このため、大阪環状線を利用する際に内回り電車で天王寺駅を経由する場合は、「大和路快速」や「関空・紀州路快速」だと奈良や和歌山に飛ばされてしまうことがあるので注意が必要です。
また、外回り電車についても、「大和路快速」と「関空・紀州路快速」は天王寺駅で折り返しますし、普通電車でも上記で説明したとおり天王寺止まりの折り返し列車もありますので、大阪環状線を利用するときは「天王寺駅を経由するルートで乗車する場合」は特に注意が必要です。
最後に
当記事では大阪環状線の運行形態の特徴について、利用がはじめての人でも分かりやすいように解説しました。
大阪環状線が東京の山手線と決定的に異なることは、奈良や和歌山など地方へ向かう列車も乗り入れているということです。
また、停車駅についても注意が必要で、通過する駅もあります。
そのため、はじめて大阪環状線を利用する場合は、特に注意は必要です。
乗り間違いを防ぐために意識しておきたいことは、以下の3点です。
- 東半分の区間(大阪―京橋―鶴橋―天王寺)はすべての列車が各駅停車
- 西半分の区間(大阪―西九条ー新今宮―天王寺)は列車によって通過駅がある
- 「関空・紀州路快速」と「大和路快速」は天王寺駅発着で折り返し運行されている
大阪環状線に乗車の際は、この3点を意識しておくと乗り間違いをせずに利用することができそうです。
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